原付一種はなくなるのか?

原付一種はなくなるのか?

原付一種がなくなると言われているのはなぜ?

原付一種とは、自動車の普通免許を持っている人なら運転できる原付車種です。
排気量は50cc以下と限定されており、近年のバイク市場においては需要が下がり続けているという特徴があります。
1985年には原付一種の保有台数は1,460万台ありましたが、2019年にはなんと510万台程度まで減っています。

その原付一種に変わって台頭している原付が、原付二種です。
これは原付でも排気量が50cc以上の車種を指し、原付一種よりもパワフルで実用的だと好評です。
各バイクメーカーでも、ニーズが少ない原付一種よりもニーズが高い原付二種の車種に力を入れているのです。
これが、原付一種がなくなるのではないかと噂されている理由です。

原付一種と原付二種の大きな違いは、免許を取得する際に教習所で技能試験があるかどうかという点です。
スクーターのようにクラッチ操作が必要ない原付車種には、自動車の普通免許ではなくAT小型限定普通二輪免許を取得しなければいけません。
原付一種は普通免許を取得すれば自動的についてくるため、原付の運転方法など実技や技能において修得する必要はありません。
しかし原付二種の場合には、普通免許を持っている場合でも技能8時間と学科1時間が必要となり、原付ならでは知っておくべき知識や技能を学びます。

原付一種のニーズが低下しているという事は、バイクメーカーにとっては製造を継続するかどうかを迫られる重大な岐路とも言えます。
バイクメーカーによっては、生産性が取れない原付一種の製造を中止するメーカーもあるため、今後ますます原付一種の選択肢は少なくなると予想されています。
そうした点もまた、原付一種がこれから衰退する一途をたどるのではないかと懸念されている理由となっています。

普通免許で原付に乗れなくなるかもしれないって本当?

すでに小型限定普通二輪免許を取得している人なら、市場から原付一種が消えたとしても大きな問題や不都合を感じることはないでしょう。
しかし現在でも、数が減っているとはいえ原付一種を運転しているライダーはいます。
もしも原付一種がなくなったとしたら、普通免許で運転できる原付車種がなくなってしまうため、これらのライダーにとっては大きな不便な事態となるのではないでしょうか。
そうした点から、もしも原付一種がなくなった場合、普通自動車免許を持っていれば原付二種の運転ができるような配慮をするとか、原付二種を運転する人口が増えることを想定して普通自動車免許の教習に原付分の実技も含めるなど、さまざまな検討が行われています。

また、原付一種には電動アシスト自転車なども含まれており、必ずしもニーズがゼロになることはありません。
そのため、原付一種がなくなった場合については、各バイクメーカーや自転車メーカーも対応を迫られることになりそうです。